2013 銀ハッピーバースディ



「し  ろ  が  ね !」
そう、名前を一つ一つ区切り、銀の後ろ姿を見定めた望美は走ってやってきた。
銀が振り向くその間際に望美は腕を大きく広げ、銀の背後からダイブして抱きついた。

振り向く方向が一緒だった為、かすかに二人の唇は触れ合った。

「・・・あっ!」
っと、言ってそっぽを向こうとした望美を離すまいと、銀は真正面から向き合った。
「その様な愛らしいお声と表情で名を呼ばれては、貴女のお顔を拝見しない訳には参りませんよ?」
そう満面の笑みで銀は望美を見下ろした。

勢いが余って、失態をしてしまった望美としてはこんな表情は恥ずかしすぎて、見せたくなかった。
しかし、今日は言うべき事があるのだ・・・ 今日という日を一年越しで待っていたのだから。



「あのね・・・」
「はい」
俯いていた望美は、何故かヒソヒソ話をするように、唇を銀の耳元へ近付けた。

「銀 お誕生日おめでとう・・・!」

そう、それだけをただただ言いたくて。
貴方が生きていてくれて、同じ喜びを分かち合えるこの日を夢にまで見ていた。

「私は果報者で御座いますね。
今日は何時も以上に積極的な神子様にもお目にかかれましたし・・・」



銀は唇を躊躇うことなく望美のそれに重ね、有難う御座いますと呟いた。








「ちょっ ちょっと! 此処、外ーーー!!!」
と、真っ赤な頬をリンゴが熟しきったといわんばかりに一層赤らめたのは言うまでもない。



2013.9.24

後記

一分で読めるSS・・・ すみません急だったのでこの程度で・・・。。
祝いたい愛だけで書いたので許して下さいっ!
おめでとう 銀!