罪の後



思い耽っていたら、急に将臣が望美の腕を掴んだ。

「せんせー、 こいつ朝から腹が痛かったみたいなんで、ちょっと保健室連れてきます」

えっ? と、将臣を見返す。

呆然としていた先生も、納得が言ったのか
「あ・・・あぁ、 そうだったのか。 それならそれで我慢しないで早く言え、春日。」
「ぇ・・・ す、すみません・・・」
「おら 行くぞ」
ぐいぐいと将臣に引っ張られ、二人は教室を後にした。


何だろうと思っていたら、将臣にハンカチを渡された。
「・・・・・・?」
「・・・ 涙・・・・・・拭け」
「え・・・ あ・・・」 今の今まで望美は涙を流していた事に気付いていなかった。

「・・・ありがと・・・ ごめん・・・」

「・・・ま、良いさ」
沈黙を保ったまま、保健室へと二人はゆっくりと向かった。


「お前・・・ あんまり重衡 心配させんなよ」
「心配なんて・・・・・・」
そう言った望美に、でこピンを食らわせる。
「・・・・・・ったぁ」
将臣を睨んで見たが、既にそっぽを向かれていた。
流石にこの雰囲気で何も言えず、黙ったまま将臣の後ろを着いて行くしかなかった。


そうこうしている間に、保健室が見えてきた。

「俺はもう教室かえっぞ。 落ち着いたら戻って来い」
「・・・ うん・・・ ありがと・・・」

そう言って、二人は別れた。



2013.10.17


後記